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【南青山】根津美術館 庭園の紅葉と「江戸の茶の湯」を楽しむ

特派員No. 644
アクアマリンさん

お茶と言えば…川上不白生誕三百年特別展「江戸の茶の湯」の名品優品と出会う  Special Exhibition The Tea Ceremony in Edo Commemorating the Tricentennial of the Birth of Kawakami Fuhaku

お茶と言えば・・・茶道のかしこまった茶席から、軽装でも参加できるイベントなどの茶席、自分で点てていただくお茶など様々な機会でお抹茶が楽しめるようになりました。

江戸時代、京の千家茶道を江戸で広めた茶人がいました。不白流の茶家の祖・川上不白(かわかみふはく)(1719-1807)。

根津美術館では、川上不白生誕三百年特別展「江戸の茶の湯」を11月16日(土)から12月23日(月)まで開催しました。晩秋の庭園、紅葉を楽しみながら、江戸の茶の湯のルーツと出会える貴重な機会でした。

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川上不白生誕三百年特別展「江戸の茶の湯」ご案内(根津美術館)

※本展は終了いたしました。

色づき始めの紅葉を愛で 庭園の茶室で大茶会

特別展が始まった翌日に訪れた根津美術館では、紅葉が色付き始めた庭園で、大茶会が催されていました。池を囲んで点在する茶室が解放され、茶室をつなぐ庭園内の小路に着物姿のお客様が行き交い、華やかな雰囲気に包まれていました。

特別展の会場内にも着物姿のお客様が多く、茶の湯の名品優品に相応しい展覧会でした。

※本展終了のため画像の掲載を終了いたします。

庭園内の飛梅祠 根津美術館

江戸に茶の湯の高みと広がりを 師・如心斎と川上不白

川上不白は、紀州藩江戸詰家老・水野家家臣川上六太夫(かわかみろくたゆう)の次男として生まれます。享保19(1734)年、京へ上り、紀州徳川家茶道師範であった表千家七代如心斎(じょしんさい)天然宗左に入門します。

如心斎は、「利休回帰」の茶の湯を達成し、利休以来伝承する道具を「利休形」としてまとめあげたと言われています。また「七事式(しちじしき)」と言われる茶の湯の稽古を制定しましたが、不白もこれに参加したとのこと。如心斎のもとで修行に励んだ不白。如心斎は、弱冠27歳の不白に「茶湯正脈(ちゃのゆせいみゃく)」の証文を与え、利休からの系譜に不白を認めました。

江戸の茶の湯・不白流 大名家から全国へ波及

江戸での千家茶道の普及を命じられた不白は、その後江戸と京を往来しながら茶の湯を広めてゆきます。18世紀、全国で茶の湯がさかんになり三千家の門弟も増えた時期でした。

当時の江戸には参勤交代の大名や家臣団がつめていました。不白は大名茶人と言われた松平不昧をはじめ多くの大名やその家臣、財を成した商人などと交流、門弟を増やすことに成功。江戸から国元へ帰った大名たちが、千家流の茶道を普及させたと言われています。また、特に寛永寺の輪王寺宮への指南は不白の最も名誉としたところでした。

個性的で風格のある不白の茶碗 茶道具に見る不白の好み物

川上不白作の赤樂茶碗、銘「只」。腰の低い胴に、勢いのある白い文字で「只」と書かれています。

樂茶碗は、手づくねであるので、茶人や数寄者の作陶を可能にしたと言われています。不白手製の茶道具に残る指や箆削りの跡は、無造作ですが不白の息遣いを感じさせます。

※本展終了のため画像の掲載を終了いたします。

赤樂茶碗 銘只(ただ) 川上不白作 一口 日本・江戸時代 18世紀 個人蔵

口縁が内側に向けられた作行きの腰の低いどっしりした胴の黒樂茶碗《紙屋黒(かみやぐろ)》。不白が江戸へ下向する際、大阪の豪商鴻池宗知が餞別に送ったものだそうです。不白はこの茶碗を重要な茶会で使うなど大切にしていたようです。

※本展終了のため画像の掲載を終了いたします。

黒樂茶碗 紙屋黒 長次郎作 一口 日本・桃山時代 16世紀 静嘉堂文庫美術館蔵

本展の見どころの一つ《鶏頭蒔絵棗》。棗の蓋に赤の鶏頭と金蒔絵の葉や茎が鮮やかに描かれています。黒地の器が花や茎葉を引き立てています。茶室にあるだけで茶席を華やかな雰囲気にさせてくれそうな棗です。

鶏頭の図柄のもとになったと言われる《鶏頭花図》(伝銭選筆 一幅 中国・明時代15-16世紀 京都本法寺蔵)も展示されており不白の創作活動の一端を知ることができます。

※本展終了のため画像の掲載を終了いたします。

鶏頭蒔絵棗 塩見小兵衛作 一合 日本・江戸時代 18世紀 個人蔵

不白晩年の書画と白隠、乾山、芳中

禅僧の書を意味する墨蹟。国宝《清拙正澄(せいせつしょうちょう)墨蹟 遺偈》は、中国の禅僧・清拙正澄が書き遺した一幅だそうです。当時既に名声を得ていた不白を招いた茶会に掛けられていたとのことで、堺の茶人の最善のおもてなしでした。

※本展終了のため画像の掲載を終了いたします。

国宝 清拙正澄墨蹟 遺偈 一幅 日本・南北朝時代 暦応2年(1339) 常盤山文庫蔵

師・如心斎没後、不白は江戸に居を構え、55歳で隠居して89歳で没するまで多くの書画も残しています。禅の言葉や、俳句とともに描かれた自画賛は、白隠慧鶴、尾形乾山、中村芳中の影響を受けていると言われています。

長々と伸びた糸瓜(へちま)。葉や糸瓜の実には琳派らしい滲みで濃淡が付けられています。上方琳派の絵師・中村芳中(なかむらほうちゅう)の《糸瓜図》。「千代の秋長きへちまの影法師」の不白の句賛。二人のコラボともいえる作品です。

※本展終了のため画像の掲載を終了いたします。

糸瓜図 中村芳中筆・川上不白賛 一幅 日本・江戸時代 寛政12年(1800) 個人蔵

師弟のちぎりは永遠に 師・如心斎の励ましの《耳付水指 銘 黙雷》

耳付水指 銘 黙雷(もくらい)。備前焼の堂々とした姿。内箱の箱裏にある墨書により、師・如心斎から遠く離れた江戸の愛弟子・不白への励ましの意を込めて譲られたものだそうです。暖かな師弟のつながりを感じる水指です。不白の所蔵後大正11年(1922)に根津美術館の礎を築いた根津青山へと渡りました。

※本展終了のため画像の掲載を終了いたします。

耳付水指 銘 黙雷 備前 一口 日本・桃山~江戸時代 17世紀 根津美術館蔵 如心斎朱書花押・不白箱

一服が繋ぐ茶の湯の道

土をこねて茶碗を作る。亭主は水を汲み、火を熾(おこ)す。風の通う小路を茶室へ向かう客がいる。自然の中から頂いたものに人の手をほんの少し加えて一服の茶を点て、亭主と客が一期一会を過ごす。

安土・桃山時代、千利休(せんのりきゅう)により完成された侘びの茶の湯。時代の変遷を経て、江戸で不白流の茶の湯に繋がりました。

同時開催 平家物語画帖と口切の茶事

那須与一が放った矢が、平家の女官が掲げた扇の的を見事に射抜いた「平家物語」の有名な場面。射抜かれた扇は二つに裂け、舞い上がり海中へ落ちてゆきます。海中の馬上から見事に扇の的を射た与一。「平家物語」には両軍から喝さいを受けたとあります。

全120場面のうち48場面が展示され、場面ごとに現代語訳でストーリーが記されており、見応えのある細密描写の絵とともに平家物語の世界に誘ってくれます。

※本展終了のため画像の掲載を終了いたします。

平家物語画帖 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵

11月、茶の湯では茶壷の口の封を切る「口切(くちきり)」が行われるそうです。茶壷 銘、四国猿(しこくさる)も唐物茶壷として「口切」に使われたのでしょうか。封を切った時に広がるお茶の香りが季節を感じさせてくれたことでしょう。

※本展終了のため画像の掲載を終了いたします。

唐物茶壺 四国猿 福建省系 中国・元時代 14世紀 根津美術館蔵

NEZUCAFÉで観覧のあとの一服を

展示室を出て庭園内の小路を行くとNEZUCAFÉの入口が見えてきます。観覧のあとは、季節のスイーツと軽食が楽しめるNEZUCAFÉで一服を。

http://www.nezu-muse.or.jp/jp/guide/cafe.html

おすすめグッズが揃うミュージアムショップ

ミュージアムショップも是非立ち寄りたいところ。毎回、展覧会に合わせたグッズ類が並びます。新商品、青銅器の双羊尊をモチーフにしたお干菓子はお薦めです。

シンプルな染付の器もあり、種類も豊富。三角形の和風ミニポーチは、アクセサリーなどの小物入れに使いやすい大きさです。お香や一筆箋、マスキングテープなど身近に置きたい品々が揃っています。

http://www.nezu-muse.or.jp/jp/guide/museum.html

○根津美術館 NEZU MUSEUM
URL:http://www.nezu-muse.or.jp/
住所:〒107-0062 東京都港区南青山6-5-1
電話:03-3400-2536

○川上不白生誕三百年特別展江戸の茶の湯
Special Exhibition The Tea Ceremony in Edo Commemorating the Tricentennial of the Birth of Kawakami Fuhaku
URL: http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html
※本展は終了いたしました。
期間:2019年11月16日(土)~12月23日(月)
開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで) 展示室 / ミュージアムショップ /庭園 / NEZUCAFÉ
休館日 毎週月曜日 ただし12月23日(月)は開館
入館料 企画展 一般 1300円 学生 1000円
20名以上の団体、障害者手帳提示者および同伴者1名は200円引き
中学生以下は無料
会場 根津美術館 展示室1・2
・交通:地下鉄銀座線・半蔵門線・千代田線〈表参道〉駅下車
A5出口(階段)より徒歩8分
B4出口(階段とエレベータ)より徒歩10分
B3出口(エレベータまたはエスカレータ)より徒歩10分
駐車場 9台(身障者優先1台)
※お願い ペットの持ち込みはご遠慮ください。
館内・庭園内でのご飲食・喫煙、また展示室内での撮影・携帯電話での通話はご遠慮ください。
敷地内の立ち入り禁止や結界の標識より先に立ち入らないでください。
庭園内の茶室は、茶席ご利用者のみ入室いただけます。
ミュージアムショップならびにNEZUCAFÉへのご利用は、美術館入館者に限ります。

・スライドレクチャー「江戸の茶の湯―川上不白 生誕三百年―」
※本展は終了いたしました。
日時 2019年12月13日(金)午後2時から45分間程度午後2時から60分間程度
場所 根津美術館 講堂
定員 130名
講師 西田宏子(根津美術館 顧問)
参加方法 事前申込は不要です。地下講堂にお越しください。午後1時45分開場。  ※聴講は無料ですが、入館料を別途お支払ください。

◇次回展覧会
企画展「<対>でみる絵画」
期間 2020年1月9日(木)~2月11日(火・祝)
URL: http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/next.html

※記事に掲載した内容は公開日時点の情報です。変更される場合がありますので、お出かけの際はHP等で最新情報の確認をしてください

この記事を書いた人特派員No. 644 アクアマリン
美術館めぐりと声楽が趣味です。古今和歌集などのいにしえの歌人の歌や、歴史に関わる古文を原文で読みたくて書道を始めました。写真を撮るのも好きで、季節の花が咲く公園や、旅先で一眼レフは欠かせません。出かけた先で気になるお店を見つけたときは必ずチェックしてます。

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