1. 東京トップ
  2. お買い物
  3. 趣味・雑貨・スポーツ
  4. 【日本橋】三井記念美術館 一碗ごと個性美きらり茶の湯の名碗「高麗茶碗」
記事検索

【日本橋】三井記念美術館 一碗ごと個性美きらり茶の湯の名碗「高麗茶碗」

特派員No. 644
アクアマリンさん

大らかで素朴なおもむき 特別展 茶の湯の名碗「高麗茶碗」の魅力
KŌRAI CHAWAN:Choson Dynasty Bowls as Seen Through the Eyes of Japanese Tea Aesthetics

三井記念美術館では、特別展 茶の湯の名碗「高麗茶碗」を9月14日(土)から12月1日(日)まで開催しています。

「高麗茶碗」の多くは朝鮮時代16世紀に焼かれたもので、日常の器のなかから選び出され「侘び茶」の茶碗に見立てられものです。作行きは大らかで素朴な味わいがあり、また一碗ごとに異なる個性も見どころです。

日本では「侘び」の茶風が広まった室町時代末期から登場し、桃山時代前期に流行り始めます。同時期に日本各地で和物茶碗が焼かれ、備前、美濃などとともに大流行。江戸時代には、より茶の湯の好みを踏まえた高麗茶碗が焼かれました。

武井_三井記念美_高麗茶碗0チラシkorai_B1_0719

特別展茶の湯の名碗「高麗茶碗」ご案内(三井記念美術館)

茶の湯の見立て「侘び茶」が見出した一碗ごとに異なる個性美

中国から唐物茶碗とともに伝わった喫茶法は、室町時代末期、日本独特の「侘び」の茶風となり、広がります。それとともに見出されたのが「高麗茶碗」です。

高麗茶碗は作行きにより細かく呼び分けられた名称があります。三島、刷毛目(はけめ)、粉引(こびき)、井戸、蕎麦、斗々屋(ととや)、熊川(こもがい)、割高台(わりこうだい)。

さらに作行きの違いにより井戸茶碗は、大井戸、小井戸、小貫入(こかんにゅう)と呼び分けられています。名称ごとに個性的な造形美を見せてくれるところが魅力です。

室町、桃山時代の茶人たちが育てた「侘び」の美

日常使いの素朴な高麗茶碗から、茶の湯の茶碗として見立てた室町、桃山時代の茶人たち。

一碗ごとに異なる作行き、釉薬や焼成の作り出す自然な風合いを個性美として見出した中世の茶人たちの眼力、感性、時代の美意識を探求し続けた緊張感を感じます。

「侘び」の茶風を大成させながら、茶道や茶道具を通して日本独自の美意識を育てた中世の茶人たち。展示された「高麗茶碗」を見つめていると「高麗茶碗の良さがわかるかな…」と問われているようでした。

大井戸、三島、粉引、蕎麦

大井戸茶碗、上林井戸。器の外側一方に激しい釉景が見られるところが特徴と言われています。他方は枇杷(びわ)色の釉薬がなめらかな様子を呈しています。高台周辺の梅華皮(かいらぎ)もおとなしい印象です。

武井_三井記念美_高麗茶碗1 大井戸茶碗 上林井戸

大井戸茶碗 上林井戸 16世紀 三井記念美術館蔵

添え状に「古三島」の言葉があるそうですが、古作の風格をそなえた三島茶碗のことを言うそうです。

武井_三井記念美_高麗茶碗3 三島茶碗 二徳三島

三島茶碗 二徳三島16世紀 三井記念美術館蔵

白い釉が粉を引いたような風情がある粉引茶碗。斜めに入った楔のような黒い景色は火間と呼ばれ、白い釉薬がかからなかったところですが、丁度良いアクセントになっています。

武井_三井記念美_高麗茶碗4 重文 粉引茶碗 三好粉引

【重要文化財】粉引茶碗 三好粉引 16世紀 三井記念美術館蔵

枇杷(びわ)色の釉に青灰色のまだら模様が広がる景色が美しい蕎麦茶碗です。

武井_三井記念美_高麗茶碗5 蕎麦茶碗 銘花曇

蕎麦茶碗 銘花曇 16世紀 個人蔵

日本向けに焼かれた茶碗「御所丸」「彫三島」

「侘茶」が大成された桃山時代の頃から茶の湯に変化が見られます。備前や美濃といった和物茶碗が日本各地で大量に焼かれ、高麗茶碗とともに大流行します。

さらに茶の湯が流行した慶長年間(596~1614)には、茶風の変化とともに新たな高麗茶碗が求められるようになります。この時期に新しく請来した高麗茶碗は「御所丸」「彫三島」「伊羅保」「金海」などですが、見立てられた高麗茶碗には見られない器形、装飾法が駆使されています。

志野焼にも似た白い釉がつくる風景が美しい御所丸茶碗「古田高麗」。「古田」とは古田織部が所持した茶碗ということだそうです。平箆の跡が印象的な茶碗です。

茶道具として見立てられた大らかで素朴な高麗茶碗とはあきらかに異なる趣です。

武井_三井記念美_高麗茶碗6 御所丸茶碗 古田高麗

御所丸茶碗 古田高麗 16〜17世紀 個人蔵

まるでモダンアートのような黒の模様が黒織部を思わせます。

隣の展示ケースに黒織部と志野が比較展示されています。

しかし両者の関係についてはまだ結論は出ていないそうです。それでも二つの茶碗は似た雰囲気を感じてしまいます。

武井_三井記念美_高麗茶碗7 御所丸茶碗

御所丸茶碗 16〜17世紀 三井記念美術館蔵

鉄分を含んだ釉と灰釉をかけ分けた茶碗「伊羅保」。片身替わりの釉景色や見込みに施された刷毛目が見所とされて茶人に人気があるそうです。

武井_三井記念美_高麗茶碗8 伊羅保片身替茶碗 銘両国

伊羅保片身替茶碗 銘両国 16〜17世紀 個人蔵

彫三島と呼ばれる茶碗。見込みの内側と外側に花文や檜垣文が施されています。外側に花文があるのは珍しいそうです。作行きから日本の茶の湯のためにつくられたと考えられています。

武井_三井記念美_高麗茶碗2 彫三島茶碗

彫三島茶碗 16〜17世紀 三井記念美術館蔵

和様化した「御本(ごほん)」 高麗茶碗本来の伸びやかさ「半使(はんし)」

御本(ごほん)茶碗の展示室に入った瞬間、茶器の雰囲気があきらかに変わったと感じました。

「御本(ごほん)」と呼ばれる一群の高麗茶碗。昭和50年代まで詳細は不明でしたが、対馬藩の注文帖(控え)が発見され、「御本」が、徳川幕藩体制下、対馬藩が運営した釜山の倭館内で注文を受けて贈答用に焼かれたことがわかりました。倭館での作陶に関わった対馬藩士の名も残っています。

もとは古作の高麗茶碗を倣ったものが、次第に和様化し独特の造形を見せるようになったとか。古作の高麗茶碗とは異なり、当時流行していた京焼を意識したと思われる茶碗もあり、軽妙な趣のもが多く、作行きも多様です。

「御本」と判別がつきにくいとされる「半使」と呼ばれた一群の茶碗もあります。朝鮮通信使の通訳たちが、来日した際、対馬藩売ったものだそうです。こちらは高麗茶碗の大らかで伸びやかな表現が見られます。

三井記念美術館 国宝茶室「如庵」を再現

三井記念美術館がある三井本館の建物は、昭和初期の日本を代表する重厚な洋風建築として、国の重要文化財に指定されています。展示室には、三井家にゆかりのある国宝茶室「如庵」の室内を精巧に再現し、茶道具の取り合わせを展示しています。

三井記念美術館の所蔵品は約4000点。そのうち約半数の茶道具が中核を占め、国宝、重要文化財を含みます。(三井記念美術館HPより)

武井_三井記念美_入口00s-IMG_8330

Museum Cafeとミュージアムショップ

季節の御膳、麺類、甘味、抹茶セット(季節の上生菓子)が楽しめるMuseum Cafe。「栗ぜんざい」は、ほっこりと暖かな小豆に白玉と栗が乗せられた秋冬限定メニューです。

営業:美術館の開館時間
URL:http://www.mitsui-museum.jp/floorguide/museum_cafe.html

武井_三井記念美_高麗99カフェ栗とあずき

「栗ぜんざい」(10月1日~ 1,120円 内、消費税10% 101円)

武井_三井記念美_高麗99カフェ

Museum Cafe(三井記念美術館)

ミュージアムショップは書籍、カタログ類の他、所蔵品をモチーフにしたオリジナル商品が並びます。また老舗職人による和のアイテムや茶道関連商品も季節や展覧会に合わせてご紹介しています。

営業:美術館の開館時間
URL:http://www.mitsui-museum.jp/floorguide/museum_shop.html

○三井記念美術館 Mitsui Memorial Museum
URL:http://www.mitsui-museum.jp/index.html
住所:東京都中央区日本橋室町二丁目1番1号 三井本館7階
ハローダイヤル:03-5777-8600
※三井記念美術館の入口は日本橋三井タワー1階アトリウムです。
※専用駐車場はございません。
交通:
■メトロリンク日本橋(無料巡回バス)乗降所「三井記念美術館」徒歩1分
■東京メトロ銀座線 三越前駅【A7出口】より徒歩1分
■東京メトロ半蔵門線 三越前駅徒歩3分【A7出口】より徒歩1分
■東京メトロ銀座線・東西線 日本橋駅【B9出口】より徒歩4分
■都営浅草線 日本橋駅徒歩6分【B9出口】より徒歩4分
■JR東京駅【日本橋口】より徒歩7分
■JR神田駅より徒歩6分
■JR総武快速線 新日本橋駅より徒歩4分

○特別展 茶の湯の名碗「高麗茶碗」
KŌRAI CHAWAN:Choson Dynasty Bowls as Seen Through the Eyes of Japanese Tea Aesthetics
URL:http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html
期間:2019年9月14日(土)~12月1日(日)
主催:三井記念美術館、朝日新聞社
開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
※最新情報は三井記念美術館ホームページまたはハローダイヤル(03-5777-8600)にてご確認ください。
休館日:毎週月曜日 10月15日(火)、11月5日(火)
※但し、10月14日(月・祝)、11月4日(月・振休)は開館
入館料:
特別展 一般 1,300(1,100)円 大学・高校生 800(700)円 中学生以下 無料
70歳以上の方(要証明)は1,000円、( )内は20名様以上の団体料金
リピーター割引:会期中、一般券、学生券の半券のご提示で、2回目以降団体料金
障害者手帳をご提示いただいたお客様および同伴者の方1名は無料

・相互割引企画
サントリー美術館「黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部 -美濃の茶陶」展の半券またはサントリー美術館メンバーズクラブ会員証のご提示で、以下の料金にてご入館いただけます。
当日入館料:一般 1,300円→1,100円 大学、高校生 800円→700円

・秋の3館合同キャンペーン
今秋も三井記念美術館、五島美術館、根津美術館では3館合同キャンペーンを行います。
詳しくはこちらをご覧ください。↓↓↓
URL:http://www.mitsui-museum.jp/biwomeguru2019.html

・ECO EDO 日本橋2019
三井記念美術館は、「ECO EDO 日本橋2019」の協力店舗として「高麗茶碗」展開催中(9月14日~12月1日)、和服・ゆかた着用の方、またはアートアクアリウム2019の入場券(半券)ご提示の方は、以下の入館料にてご入館いただけます。
※他の割引との併用不可
当日入館料:一般 1,300円→1,000円 大学、高校生 800円600円
ECO EDO 日本橋2019ホームページ↓↓↓
URL:https://www.nihonbashi-tokyo.jp/ecoedo2019/

〇イベント
土曜講座 茶の湯の名碗「高麗茶碗」
会場:三井記念美術館レクチャールーム
定員:50名
聴講料:2,000円(無料完了券1枚付)
日時:2019年11月9日(土) 14:00~15:30(※追加開催)
「『高麗茶碗の話』 ―江戸時代の高麗茶碗―」講師:赤沼 多佳(三井記念美術館参事)
※参加ご希望の方は、三井記念美術館HPをご確認ください。
申込先着順にて受付、定員になり次第締切りいたします。
聴講料は講座中止以外、返金致しかねますのでご了承ください。
URL:http://www.mitsui-museum.jp/event/lecture.html

◇次回展覧会
国宝 雪松図と明治天皇への献茶
期間2019年12月14日(土)~2020年1月30日(木)
URL:http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index2.html

※記事に掲載した内容は公開日時点の情報です。変更される場合がありますので、お出かけの際はHP等で最新情報の確認をしてください

この記事を書いた人特派員No. 644 アクアマリン
美術館めぐりと声楽が趣味です。古今和歌集などのいにしえの歌人の歌や、歴史に関わる古文を原文で読みたくて書道を始めました。写真を撮るのも好きで、季節の花が咲く公園や、旅先で一眼レフは欠かせません。出かけた先で気になるお店を見つけたときは必ずチェックしてます。

同じジャンルの記事を読む

人気記事ランキング

  1. 東京トップ
  2. お買い物
  3. 趣味・雑貨・スポーツ
  4. 【日本橋】三井記念美術館 一碗ごと個性美きらり茶の湯の名碗「高麗茶碗」

特派員メンバー

  • 純ここ
    特派員No.337純ここ
    毎日笑顔にあふれ~幸せに感謝して!!
  • ビート
    特派員No.340ビート
    営業経験を活かして取材します!
  • ufumeg
    特派員No.341ufumeg
    おいしいもの、変わったものが大好きです
  • うえっち
    特派員No.342うえっち
    強く楽しく美しい体験をレポート
  • よこも
    特派員No.033よこも
    英語と新しいものが大好きな2児のママ
  • パンダ特派員
    特派員No.034パンダ特派員
  • yumyum
    特派員No.035yumyum
    お散歩大好き!
  • きりとび
    特派員No.210きりとび
  • yoko
    特派員No.283yoko
    イベント大好き!
  • ま-ちん
    特派員No.424ま-ちん
    お酒が好き、特にオヤジの集まる所が好き!
  • エドポッパー
    特派員No.428エドポッパー
    都内名所、イベント、などなど
  • frankie
    特派員No.429frankie
    美味しいコーヒーが飲みたいな
  • 世田子
    特派員No.503世田子
    街歩きと自然が大好き!
  • ローズウッド
    特派員No.504ローズウッド
    世田谷線沿線のお店開拓中です
  • あをによし
    特派員No.505あをによし
    スイーツやエスニックが大好き!
  • ぽのりん
    特派員No.508ぽのりん
    一人で楽しむ体験イベントご紹介
  • chaory
    特派員No.510chaory
    新宿エリアはおまかせ!期間限定、イベント、コスパ良いものが好きです♪
  • 紅子
    特派員No.511紅子
    紅茶、チョコレート、レモンタルト、コップのフチ子が好き♪
  • アクアマリン
    特派員No.644アクアマリン
    ボタニカルライフ楽しんでます!
  • マーブル
    特派員No.645マーブル
    美味しく楽しく暮らしたい!
  • 東京かとちゃん
    特派員No.646東京かとちゃん
    池袋エリアは、私におまかせ!!
  • a.a
    特派員No.647a.a
    季節に沿ったことが大好きです。
  • ふぃぐ
    特派員No.649ふぃぐ
    方向音痴だけど、気ままにてくてく♪
  • MIYUKI
    特派員No.650MIYUKI
    東京穴場スポット情報発信中!
  • bon
    特派員No.652bon
    人生を思いきり楽しみます!
  • yotsu
    特派員No.653yotsu
    城東エリアの魅力を探ります!
  • パクチーすまいる
    特派員No.817パクチーすまいる
    ハーブたっぷり♪タイ料理が大好き
  • しまんだ
    特派員No.818しまんだ
    子供とお出かけ先を探しています
  • キム姉
    特派員No.819キム姉
    食べることが大好きです!
  • DECO
    特派員No.820DECO
    笑顔になれる情報をお届けしたいです!
  • よーこ1106
    特派員No.821よーこ1106
    下町の可愛いお店を沢山紹介したいです
  • マウ
    特派員No.874マウ
    ナチュラル、インド、パン、アウトレット、にアンテナピーンです