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ゼロからママの中学受験ナビ あの学校に行ってきました

学校長インタビュー

第22回
北豊島中学校・高等学校

「1対1が20通り」の少人数制で
生徒一人ひとりの個性を生かし伸ばす

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“アナログ”の学びからアクティブラーニングが始まる
北豊島中学校・高等学校 校長:河村惠子さん

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◆学校長プロフィル
校長:河村惠子さん
茨城県出身。公立の非常勤講師を勤めた後、1988年4月より北豊島中学校・高等学校に奉職。教科主任、学年主任(中学1年~高校3年)などを経て、2010年に教頭に就任。2018年4月に校長に就任し現在に至る

――北豊島中学校・高等学校ではどのような生徒を育てたいとお考えでしょうか

本校は創立時から「社会で活躍する女性の育成」を目標として、その素地を作ることを教育の中心に置いてきました。「社会で活躍する」とは、必ずしも第一線で働くということではなく、さまざまな形で社会の役に立つことです。
そのため本校では、1クラス原則20人の少人数制をとり、生徒一人ひとりを大切にして可能性を開花させ、最大限に伸ばすことを目指しています。生徒はそれぞれに個性やカラーが違いますから、その生徒に適した教育アプローチが求められます。それには教員と生徒が「1対20」の指導ではなく、「1対1が20通りある」という環境作りが必要と考え、実践しています。
教員は、全校生徒の名前と顔と性格が一致しています。また、担任だけでなく、教科やクラブ活動担当など複数の教員が、それぞれの視点から一人の生徒を見て、学校全体で生徒を育てていく態勢ができています。各教員は、1日数回の声かけや、個人面談など話す機会を多く持つことを日々行っております。生徒が、担任以外の教員に勉強以外のことでも自由に相談ができる環境ができています。教員との距離が近く、何でも話せる親以外の大人がいることは、生徒に安心感を与え、精神的なゆとりにもなるでしょう。

――具体的にどのような教育を行っているのでしょうか

中高一貫の6年間を3つの段階に分け、中学1・2年の2年間は基礎段階として、学習・生活習慣の確立を目標とします。中学3年・高校1年は応用段階で、自学自習の習慣化・主体的な行動力の育成、高校2・3年は発展段階として、自学自習の確立・創造的な行動力の育成を目標とします。
その中で、一人ひとりの学力に合うように習熟度別に対話型・参加型の少人数授業を行い、自ら考える力、理解する力を徹底して鍛えます。加えて重視しているのが、プレゼンテーションです。全員が個人やグループなど多角的なプレゼンに参加し、工夫を凝らしてオリジナル資料を作り、学年全員の前で発表することで、発信力・構成力・表現力が育成できます。それが可能なのも少人数制ならではのメリットと言えます。
もう一つ、中学1・2年では、できるだけ“アナログ”で学習することを大切にしています。ICT(情報通信技術)も大事なツールですが、最初はそれらに頼るのでなく、自分で図書館に行って調べてまとめさせます。不便さを感じながらも、自分であれこれ考え、手を動かして書くと頭に入るということを知ってもらい、中学校3年で応用レベルになってから、今度はパソコンを活用して調べたり、プレゼンではプロジェクターを使うことで、機器の便利さを感じてほしい。そうした“アナログ”の学びが、本当の意味でのアクティブラーニングであり、PCなどの便利な機器の有効さがわかると思っています。
英語教育には特に力を入れ、日本人教員による週5時間、ネイティブ教員による週3時間の授業により「使える英語」を身に付けます。その成果を試す場所として、中学1・2年次にネイティブと英語漬けの3日間を過ごす「那須語学研修」、3年次にカナダなどで海外語学研修を行い、中学2年からは、オーストラリア交換留学、高校1・2年生対象の英国語学研修、カナダ学期研修に参加できます。
また、海外に出たときのために日本の伝統文化を身に付けさせたいと、中学1・2年で華道を、中学3年で茶道を必修にしています。さらに、英語が通じなくても音楽は世界共通の言葉との考えから、中学3年間ギターを必修としていて、これらは生徒たちのしなやかな感性を育む情操教育にもなっています。

――進路プログラムも特色ある内容ですが、どのような指導をされていますか

中学1年から、働くことへの興味関心を引き出すための「仕事調べ」、職場の雰囲気や仕事内容を体感する「職場訪問」、実際の仕事の現場を体験する「職場体験」などを実施します。結果をまとめ発表する過程では、“アナログ”を駆使することを大切にしています。
中学3年で取り組む「学問研究」は、総合的学習の一環として、荒川区後援「荒川区内職人取材」、荒川区内職人協力「職人・伝統工芸PRプレゼン」、首都大学東京協力「看護の世界」「作業療法の世界」、北豊島医療専門学校協力「ヒトの体」、尾久警察署協力「鑑識と警察の世界」などの授業がこれまで行われました。生徒は授業結果をプレゼンしますが、その過程で情報収集力や考察力表現力、論理的思考力が養われ、「課題発見力・問題解決力・探究力」というこれからの社会で活躍する女性に求められる力が身に付きます。
進路指導にあたっては、どこの大学に行きたいかではなく、将来何になりたいか、何を勉強したいか、一人ひとりの生徒がどのような将来像を描いていて、それに対して教員がどれだけ後押しできるかということを基本的な考え方としています。そのため、英語力を生かした大学進学とは別に女子校の特徴といえる看護・技師・療法士・薬剤師などの医療系はもちろん、理学・工学系への進学も年々増加しています。

――保護者と学校とコミュニケーションの機会は多いのでしょうか。また、初めて中学受験を経験する保護者に伝えたいことはありますか

保護者の方々とは、生徒がまっすぐに伸びてくれるように、学校と家庭での生徒の様子について情報交換をしながら、より良く生徒を理解し、学校、家庭のそれぞれでの接し方を話し合う機会を多く設けています。面談は、学年の最初に全保護者と行うほかにも随時実施し、保護者の方とは1時間近くをかけて成績や進路のことだけでなく、学校生活や家庭でのことなどさまざまなお話をします。
保護者同士の交流ということでは、PTAで文化祭への協力や、保護者向けに親子の接し方についての研修会などを開催しています。父親だけの“お父さん会”もあって、文化祭で野菜の販売を手伝っていただいているほか、父母の方々と校長・教頭が食事をしながら懇談する機会も設けています。
最近、入学相談会や説明会に来られる方の中に、低学年の方も多くなってきています。早くから準備を始めようとされていますが、それがいいかどうかは疑問です。4年生からでも十分に対応できると思いますので、低学年では体力を付けるためにどんどん遊ばせていただきたい。また、本をたくさん読んで想像力を豊かにしてほしいと思います。人の話や音を聞いて、頭の中でイメージでき、整理できるのは、これからの学びに必要とされる大切な素養です。そこを大事にしていただいてから、いよいよ中学に進む準備をしていただければいいと思っています。

北豊島中学校・高等学校
(私立・女子・中高一貫校)
所在地 〒116-8555 東京都荒川区東尾久6-34-24
電話 03-3895-4490
ホームページ http://www.kitatoshima.ed.jp/
沿革 1926(大正15)年、北豊島女学校創立。1950(昭和25)年に学校令改正により北豊島高等学校となり、北豊島中学校を設置(1958(昭和32)年から休校)。1990(平成2)年、北豊島中学校再開。2005(平成17)年、高等学校3コース(特進、総合、国際英語)導入
教育理念 女性の社会進出、地位向上を目的とした女子教育を起源として、一人ひとりの可能性をきめ細かい教育で伸ばすという教育理念のもと、「誠実」「和敬」「温雅」を校訓とする
生徒数 中学校(1年生19人、2年生29人、3年生24人)、高等学校(1年生91人、2年生103人、3年生82人)(2018年7月現在)
進路状況 2017年度卒業生82人のうち、海外大学に8人、国内国公立大学に1人、国内私立大学に53人合格
最寄り駅 都電荒川線・さくらトラム「熊野前」「東尾久3丁目」駅から徒歩5分。日暮里舎人ライナー「熊野前」駅から徒歩5分。東京メトロ千代田線・京成本線・都電荒川線「町屋」駅から徒歩15分