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ゼロからママの中学受験ナビ あの学校に行ってきました

学校長インタビュー

第21回
富士見中学高等学校

社会に貢献できる自立した女性を育てる

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自分、人、課題と向き合う力が「生きる力」になる
富士見中学高等学校 校長:板倉清さん

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◆学校長プロフィル
校長:板倉清さん
鳥取県境港出身。大学では文学部史学科で中世イギリス史を専攻。1973(昭和48)年大学院修士課程修了。在学時から富士見中学校高等学校で社会科講師を務め、卒業後専任教師となる。長くバスケットボール部の顧問を務め、2008年校長に就任、現在に至る。好きな言葉はフランスの詩人・ルイ=アラゴンが第二次大戦中に作った“ストラスブール大学のうた”の一節「教えるとは希望を語ること 学ぶとは誠実を胸に刻むこと」

――富士見中学高等学校ではどのような生徒を育てたいとお考えでしょうか

本校は「社会的貢献のできる自立した女性の育成」を教育目標としています。その軸となるのが「進路指導」「学習指導」「人間教育」の3分野です。
「進路指導」では、生徒自身が夢や希望を高く掲げて、自己肯定感を育むことを大事にしています。自己肯定感というのは、自分の存在価値を自分自身で認め、人と一緒でなくても構わない、失敗してもまたやり直せるという生き方ができることです。生徒には、たくさん失敗しなさい、失敗しない人は成功もしない、だから挑戦しなさいと言っています。
「学習指導」は、生徒の興味・関心を引き出すことを主眼としたカリキュラム、授業づくりのこと。例えば理科は実験や観察を中心に、6年間におよそ140回もの実験実習を行います。社会では中3で「模擬裁判」を実施したり、選挙の年には「模擬投票」も行っています。もちろん、生徒一人ひとりの進路実現に見合う実力養成も怠りません。
以前、本学には難関大学進学を目指した特進コースがあったのですが、これを廃止し、すべての生徒を平等にクラス分けしました。その結果、生徒同士が伸び伸びと学ぶようになり、一体感が出てきて協働性が強くなりました。それが勉強面にも生きてきていて、大学合格実績も特進コースの時代より良くなっています。
「人間教育」では、自治活動や行事・クラブ活動を通じて、自主性、協調性、協働性を養うとともに、リーダーシップとフォロワーシップを育てます。フォロワーシップとは目的達成に向けてリーダーを補助していく機能で、多くの行事や活動があると、リーダーとフォロワーを入れ替わって体験でき、リーダーの責任感とフォロワーとしての自覚が生まれます。それが行動力と、失敗を恐れない積極性を育てるのです。

――新学習指導要領への移行措置がスタートして、大きな教育改革が始まろうとしていますが、それに対応した新たな試みや、力を入れていることなどがありますか

これまで生徒には、6年間で育てたい力として「自分と向き合う力」「人と向き合う力」「課題と向き合う力」を掲げ、これらの力をつけることが「生きる力」を養うことだと話してきました。そして、この「生きる力」を17の力に細分化し、生徒一人ひとりが今、自分がどの段階にあり、どうすることで次の段階にいけるかが分かるよう、目標達成度を分かるための表であるルーブリックを作成しました。また、今後、AI化やグローバル化が進み、社会が変わっていく中でこれらをどう具体化するか議論を重ね、新たに打ち出したのが「探究学習」「グローバル力」の二つの方向性です。
「探究学習」というのは、主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の最も総合的な形態で、自ら課題を設定し、情報を集め、整理・分析して発表するという課題発見・解決型の学習活動です。ここで重視しているのが自分で知りたい、やってみたいと思える課題を見つけること。課題設定から発表までのプロセスを何度も経験することが、自ら興味関心を持って主体的に取り組む姿勢を育て、将来の学びの姿勢につながります。
「グローバル力」については、いくら英語ができても、「コミュニケーションにより人を動かす力」「異なるものを理解し受け入れる力」「物事を組み立て、前に進ませる力」がなければ、真のグローバル力とは言えません。これらを身に付けたいなら、勉強でもクラブ活動でも行事でも、学校の生活を頑張りなさいと生徒には伝えています。
かねてから本学では、生徒の自主活動の中で、東南アジアの子どもたちにワクチンになるペットボトルキャップ回収や、フィリピン山岳地の小学校へ医薬品援助を行う募金活動などを行っており、こうした日常にあるグローバルで世界と自分とのつながりを意識することもできます。また、「模擬国連」にも積極的に参加していて、この模擬国連は世界の仕組みを知る上でとても良いきっかけになり、課題に向き合う力が養われていきます。さらに、校内でもやってみようということで「富士見会議」も開催しました。このような「学校に来れば毎日がグローバル」という環境づくりは、これからも大切にしていきたいと思っています。

――保護者と学校、保護者同士のコミュニケーションの機会は多いのでしょうか

生徒を健やかに育んでいく上で、保護者と学校が共通認識を持つことを大事にしており、そのためにさまざまなコミュニケーションの機会を設けています。保護者会は年に3回実施し、全体会とクラス単位の懇談会、希望により個人面談も実施しています。毎年10月の公開授業では、子どもの学年を含めてどの学年の授業でも参観することができます。
特徴的なのがPTA活動で、各学年の活動のほかに、厚生部、校外指導部、研修部の活動があります。また、美術、コーラス、書道、カウンセリングのサークル活動には多くの保護者が参加していて、特にカウンセリングでは子どもとのコミュニケーションについて勉強しています。これらの活動の様子は学校のホームページ上で見ることができ、ホームページはご家庭と学校が情報を共有する重要なツールになっています。

――子どもの中学受験を考えているママに伝えたいことはありますか

子どもの人生は、子どもがプレーヤーで、親や教員はサポーター。サポーターはどんなに熱心であろうと、決してグラウンドに入って選手になってはいけないと思っています。子どもが頑張れるようにサポートするのが我々であって、子どもに自分の希望を押しつけるようなことはしないでくださいと保護者会でも話しています。子どもが成功するように前もっていろいろ世話をしすぎたり、転ばぬ先の杖を与えたりというのも、やりすぎると子どもの自立を損ないます。
これから子どもが学校を選んだり、大学を選んだり、仕事を選び、人生を選ぶわけですから、自分なりの努力をし、それでいいと思えるような自己肯定感の強い子にしなければいけないと思っています。そのためには、何を頑張ろうとしたかということと、結果ではなく頑張ったプロセスをきちんと評価してあげていただきたい。
中学校を選ぶのであれば、お子さんが学校生活を自己肯定感を持って過ごせる場所かどうかということで選んでいただければと思っています。

富士見中学高等学校
(私立・女子・中高一貫校)
所在地 〒176-0023 東京都練馬区中村北4-8-26
電話 03-3999-2136
ホームページ http://www.fujimi.ac.jp/
沿革 1924(大正13)年に富士見女高等学校設立。1940(昭和15)年に財団法人山崎学園が経営を引き継ぐ。1947(昭和22)年、学制改革により富士見中学校設立、翌48年に富士見高等学校を設立し、49年に富士見高等女学校を廃止。1991(平成3)年度より中高6年の一貫教育体制を実現
教育理念 「純真・勤勉・着実」という建学精神のもと、豊かな人間形成と知的・個性的な、社会貢献のできる自立した女性を育てる
生徒数 中学校(1年生249人、2年生245人、3年生246人)、高等学校(1年生241人、2年生220人、3年生231人)(2018年7月現在)
進路状況 2017年度(現役)の大学合格者数:国立大学22人、公立大学11人、私立大学574人、女子大学102人、医・歯・薬・看護系大学83人
最寄り駅 西武池袋線「中村橋」駅から徒歩3分