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学校長インタビュー

第20回
富士見丘中学高等学校

国際性豊かな
若き淑女の育成を目指す

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21世紀社会を生き抜く
「グローバル・コンピテンシー」を育てる教育
富士見丘中学高等学校 校長:吉田晋さん

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◆学校長プロフィル
校長:吉田晋さん
1952年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。企業勤務を経て、教職に携わる。学校法人富士見丘学園理事長、富士見丘中学高等学校校長。日本私立中学高等学校連合会会長、一般財団法人日本私学教育研究所理事長、中央教育審議会委員、同審議会「初等中等教育分科会」「教員養成部会」委員など、多くの公職を務める

――富士見丘中学高等学校では、どのような生徒を育てたいとお考えでしょうか

日本では偏差値で子どもの学力を評価する傾向がありますが、本来子どもの持っている能力はどの子も同じ。ダイヤモンドの原石である子どもたちをどう磨くかによって輝き方は変わってきます。AIの発達により、いかに知識を詰め込むかが重視された今までの教育では社会の変化に応じきれなくなっています。作られた学力ではなく、自分で考え行動する教育、柔軟な思考と大胆な発想で、答えのない答えに挑む人材が今後必要とされるのです。
グローバル教育、アクティブラーニングなどが「21世紀型教育」として注目が集まる以前から、本校はこのような教育を長年にわたって行ってきました。グローバル社会で活躍するために身につけたい「英語でコミュニケーションできる人」「外に向かって挑戦できる人」「他者と協働で課題を解決できる人」「自分で目標・課題を見つけられる人」の4つのスキルを掲げ、単に教科の習得による「学力」だけでなく、未知の問題解決に必要な思考力・判断力・表現力・創造力・行動力などを包括した総合的な能力=コンピテンシーを育てる教育に取り組んでいます。
学校は楽しく勉強できる場所でなければなりません。富士見丘には、女子校ならではの恵まれた環境があります。女子に特化した授業展開に加え、身も心も大きく成長する時期に異性の存在を気にすることなく伸び伸びと学校生活を送ること、全て自分たちの力でやり遂げる行動力や実行力をつけていくことこそが、真のジェンダーフリー教育だと私たちは考えています。自らの資質を表現し、世界に羽ばたき活躍する多くの女性を世に送り出すために、21世紀型のグローバル社会を生きる力を育てるのが本校の教育です。

――SGH(スーパーグローバルハイスクール)に指定されていますね

本校は2015~19年度の5年間、文部科学省よりSGHの指定を受けています。本校のSGH研究テーマは「サステイナビリティから創造するグローバル社会」。サステイナビリティ(持続可能性)の視点でさまざまな社会課題をとらえ直すことを全体テーマに、さまざまなSGHプログラムを展開しています。高校1年の「サステイナビリティ基礎」では、本校教員による教科横断型授業や慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科・大川研究室との共同グローバルワークショップ、岩手県釜石市でのフィールドワークを実施。高校2・3年の「サステイナビリティ演習」では、「災害と地域社会」「開発経済と人間」「環境とライフスタイル」というテーマを設定し、慶應義塾大学や上智大学の研究室、さらには台湾成功大学、シンガポール経営大学、国立環境研究所などと連携して研究を進め、東南アジア3地域での海外フィールドワークを実施しています。SGHプログラムで培われた本校の思考力、英語力、プレゼンテーション力は、SGH甲子園で2年連続優秀賞を獲得するなど国内外で高く評価されています。また教員が全員で取り組むことで、学校全体がさらに活性化したと感じています。

――施設などの環境にも気を遣われているとうかがいました

学校は生徒が1日のうちで一番活動する場所です。本校では地域に優しく人に優しい「私たちの学校(おうち)」と考え、マイ箸運動などリサイクル活動に取り組んできました。校舎は2000年に建て替えましたが、サステイナビリティの発想からさまざまな工夫をしています。耐震構造はもちろんのこと、災害時に生徒が校舎内に残留隔離された場合に備え、都内でも最大級の大型自家発電装置を設けており、3日間は最低限の生活を送れる電気の供給が可能です。また、2011年には蓄電可能な大型太陽光発電パネルや下水処理用の浄化槽も設置し、災害時のライフラインを確保しました。水についても普段から雨水を地下貯留ピットに貯めて浄化し、中水としてトイレの洗浄や植栽、ビオトープなどに利用するシステムを備えています。また本校から出る用紙を中心に、再生紙100%の学校ブランドトイレットペーパーを作っています。校内で使用しているのですが、「大事に使おう」と思うのかトイレットペーパーの使用量が格段に減りました。小さなことですが、サステイナビリティ社会への理解や意識改革につながっているのではないかと考えています。

――PTAがないようですが、保護者と学校とのコミュニケーションの機会はありますか

本校には創立以来、PTAや後援会といった組織はありません。これはすべての保護者は平等で、保護者と1対1の関係を築くことが重要だと考えているからです。年4~5回の保護者会や個人面接などで学校に来ていただく機会はたくさんありますし、それ以外でも「いつでも学校にいらしてください」と呼びかけています。本校の教室は生徒が廊下に向かって座っており、ガラスのスリット越しに廊下から教室内を見ることができます。お子さんの様子が気になるなら、授業を受けている表情を見ていただければご安心いただけるのではないでしょうか。

富士見丘中学高等学校
(私立・女子・中高一貫校)
所在地 〒151-0073 東京都渋谷区笹塚3-19-9
電話 03-3376-1481
ホームページ http://www.fujimigaoka.ac.jp/
沿革 1940(昭和15)年、昭和実業実践女学校創立。1944(昭和19)年、校名を富士見丘女子商業学校と改称。1947(昭和22)年、中学校の設置認可を受け、渋谷区の委託で公立中学校の教育を代行。翌48年、学制改革により富士見丘高等学校・同中学校と改称。1951(昭和26)年、渋谷区との委託期間終了に伴い女子のみの高等学校として生徒募集を開始。1974(昭和49)年、商業科・秘書科の募集を停止し、普通科のみの募集に変更。1978(昭和53)年、6カ年一貫教育を目指し、休学中の中学校を開校。2015(平成27)年、文部科学省よりスーパー・グローバル・ハイスクールに指定
教育理念 創立以来受け継いできた「忠恕」の精神で「国際性豊かな若き淑女の育成」を目指す
生徒数 中学校(1年生33人、2年生39人、3年生34人)、高等学校(1年生94人、2年生100人、3年生90人)(2018年7月現在)
進路状況 2017年度卒業生100人中、海外大学に8人進学(ロンドン大学キングスカレッジ、UBC、シドニー大学など)。国内進学も、東京外大2人、上智大5人などグローバル志向
最寄り駅 京王線「笹塚」駅から徒歩5分